asuno optical/アンティークコレクション販売会

asuno optical/アンティークコレクション販売会

【asuno optical 】

アンティークコレクション販売会

7/25(金)〜7/27(日)

7/26 7/27  水越様在店


東京都中央区銀座1丁目9-8 奥野ビルB1

Lister

Tel :03-6264-4533

 

アンティーク眼鏡について

眼鏡の起源には諸説ありますが、中世の中国大陸やヨーロッパ諸方では権力者や修道士が水晶石を拡大鏡として用いていた記述が見つかっています。
動物の角や鼈甲の枠に水晶が入れられたものは異国からの貢物や土産物として物好きな権力者に珍重されるなどして、長い時間をかけて各地へ広まっていったと考えられています。

18世紀頃には手に持つローグネットや鼻にばねで挟むフィンチといわれる眼鏡が貴族や富裕層、役人などに読み書きや観劇等の際に使われますが、懐中時計のように鎖でつないだりポケットにしまってあり、今日のように常用するのは稀でした。まだ人々の識字率が低かった頃では眼鏡は権威や富を感じさせるのであまり親近感を持たれない物だったようです。
 

フランス革命以後の自由経済の発展で様々な文化、産業がめまぐるしい成長を遂げて生活様式が拓かれていくと眼鏡は少しづつ身近になっていき、年月と共にその意匠は姿形を変えていきますが、機能性や快適性ではいまだ玉石混交の市場に大きな変革をもたらす企業が19世紀半ばにアメリカで誕生します。 

現存する最古の光学メーカー アメリカンオプティカル社は、フランス革命後の混迷の時代に欧州からアメリカへ渡って宝石商を営んでいたウィリアム・ビーチャー氏が、ある時輸入された眼鏡を見て”自分ならもっと良いものが作れる”と1833年にマサチューセッツ州で創業しました。銀や鉄の眼鏡生産をはじめ、レンズに穴を開けて固定する縁なし眼鏡や乗馬や車上でずれない為の縄手テンプル製品等で評判をよび、1891年には丈夫で美しい素材である ”ゴールドフィルド” (地金に金を圧着溶接する技術)を発明して世界で最初の金張り眼鏡を生み出したとされています。

やがて第一次世界大戦(1911~)や大恐慌という激動の時代では、アメリカは戦後の輸出によって開拓史以来続いていた農業国から世界の工業の4割ほどを占めるまで成長し、欧州から貿易商や宝飾職人が移り住み、丁度普及しはじめていた金張眼鏡に技術と知見が合わさり宝飾的意匠の眼鏡が最盛期を迎えます。

摩天楼が立ち始めた1920年代の都市部では時計や帽子、眼鏡を取り扱う店ができはじめ、顧客はテスト眼鏡をかけてレンズを選び、フレームのサイズや仕様を好みや予算に合わせて注文していたようです。

突飛なオーダーの類では、金無垢材であらゆる面が彫金されるなど造形豊かで豪華なものも存在します。

 

1940年代以降では、プラスチックの登場によってデザインと色彩の可能性を得た眼鏡市場は活況したくさんのメーカーが誕生します。

均一かつ効率的に供給できるプラスチックは市場を席巻、さらに光学分野の発達で遮光レンズを組み合わせる等生活への訴求も高まり、ムービースターがサングラスをかける広告やファッションデザイナーがフレームをデザインするなど今日と本質的には変わらないほどに市場は成熟します。

経済発展とともに金鉱物も高騰していく時勢から、金張眼鏡は時代の夜明けを前に市場からほとんど姿を消していきました。

私が取り扱っている眼鏡は1890~1950年代頃まで欧米諸国で作られていた金張り眼鏡が主となります。古いものでは100年以上を経過している物もあるので広義でアンティークと呼んでいます。

往時の金張り眼鏡を収集して検分類し、経年の劣化や変形があるそれらを整美、編集をしてコレクションしています。
 

現代のフレームデザインの礎といえるその一つ一つは、時代の変遷にもまれながら固有の性質を持った小さな遺構でもあり、ロマンと愛着を持って鼻先に迎えて頂きたいと思っています。

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