【MINIMAL SLOPE】
@minimal_slope
-
9/7 9/8 (銀座)
@lister_ginza
9/4(水)には銀座店でサンプルを見て頂けます。
9/14 9/15 (南船場)
@lister_minami_semba
-
【洋服を作る上での素材選び。どの様に選んでいるか。】
視覚と質感において、ただの素材以上のものを語りかけるもの。
糸と糸の間に広がる溝に、まるで吸い込まれるかのように引き込まれ、そこに浮かび上がる陰影に心が囚われるもの。
完璧すぎないことに、美が宿る。わずかな粗さや、不揃いの表情が、個性を際立たせ、手に取るたびに新たな魅力を発見させられるもの。
そして、時を重ねるごとに、着込み、洗い込み、育てるように変化していくその表情が、たのしみなもの。
新旧にこだわりはないが、なぜか古き良きものに惹かれ、そこに行き着くことが多い。
選ぶ生地には、時を超えた魅力が宿っている。
【ヴィンテージモチーフをどの様に解釈し、新しく生まれ変わせているか。】
ヴィンテージをオマージュするのは、現存するヴィンテージウェアが、どのようにして時を超えて愛され続けてきたのか、その秘密を探るため。
古き良きデザインやディテールを再現することは、その答えを追い求める一つの方法だと思います。
重要なのは、それを現代の服へと昇華させること。
単なる過去の模倣ではなく、ヴィンテージの想いを現代の感覚と共鳴させ、新たな命を吹き込む。
それは、現代服のルーツを肌で感じてもらうための試みであり、過去と現在が響き合う一着を生み出すこと。
時を超えて生き残ったヴィンテージが持つ力を、現代の感性を通じて、未来へと繋げる。
それこそが、私のヴィンテージモチーフの解釈。
縫製のテクニックや拘りなど】
テクニック。
特筆したいのは、2本針または3本針の環縫いミシンによる縫製技法、通称「巻き」です。わかりやすい例で言えば、Gジャンの接ぎ合わせ部分が「巻き」です。
有名なミシンではユニオンスペシャルの35800が挙げられます。ちなみに、私が使用しているのはブラザーやJUKIのミシン。
ユニオンスペシャル35800に比べるとパワーでは劣りますが、その代わり小回りが利きます。
ワークウェアには欠かせないミシンです。
しかし、このミシン。直線縫いが得意である一方で、曲線縫いが非常に苦手。例えば、シャツのアームホールなどは、正直なところ、無理矢理縫っている感じです。縫うたびに、先人たちのスキルの高さを痛感します。。
生地が薄いほど、柔らかいほど、または高密度なほど、縫製が難しく、失敗が許されません。もちろん、すべての製品は試し縫いを行ったうえ、ワンメイクで仕上げています。
「巻き」の良さについてもお伝えしたいと思います。
縫うと裏目がチェーン状になるチェーンステッチが特徴です。これは、1本針の本縫いミシンによるステッチと比べて伸縮性があり、洗い込むうちに豊かなパッカリングを楽しむことができます。
また、生地を噛まさずに縫うと、チェーン状の糸が紡がれる特徴もあります。
サンプルシャツの裾でぷらぷらしている糸がそれです。
こだわり。
縫製におけるこだわりとして、永く愛用していただけるような服作りを意識しています。家庭での洗濯が可能であることも考慮しております。
例えば、シャツ。
全体的に細かいステッチを施しており、3cm間に21〜24針、巻きは3cm間に18〜20針で縫製しています。細かいステッチが生地に食い込み、一箇所が切れたとしても、ほつれにくい構造になっています。
アウターやパンツの場合は、ステッチ目が粗めですが、その代わりに太番手の糸を使用しています。気兼ねなく洗濯していただきたいという思いからです。
また、ステッチ糸は途中で繋ぐことはせず、始めから終わりまで1本の糸を使用しています。途中で糸を結んでしまうと、そこからほつれてくる可能性があるため、繋がないようにしています。
【パターンへのこだわり。】
トップス。
身幅を大きく取ったゆったりとしたバルーンシルエットが特徴です。実は、女性的な形を意識してパターンを引いており、全体的に柔らかく、空気感を持たせることで、無骨になりがちな縫製ディテールを中和しています。
ボトムス。
無骨な雰囲気を残しつつ、すっきりとした印象を与えることを意識しています。具体的には、前身頃のセンターをややアウトシーム寄りに配置し、後身頃のセンターはアウトシーム限界まで寄せています。これにより、前から見るとすっきり見えるのに対し、後ろ側は可動域が広く、横から見るとややヤボったい?
シルエットに見えるかもしれません。しかし、尻グリ(ヒップライン)を緩やかにして、小尻を意識したデザインにしています。
以上、個々の品番ごとにさらにこだわりがありますが、詳しくは会場でご案内できたらと思います。