yato/POPUP STORE

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yato

2022年3⽉ 新潟の古⺠家に移住し、⾥⼭の中で⾃給⾃⾜的な暮らしを始めています。

それ以前は都会に住み、休⽇になると神奈川県葉⼭にある⽥んぼでお⼿伝いをさせていただいていました。

「⾕⼾」という地形にある⽥んぼで、アーティストの真砂秀朗さんが20年以上も無肥料・無農薬でお⽶を育てています。

耕作放棄された⽥の開墾からはじまった場所は、⼈が⾃然と適切に関わりあうことで、毎年豊かな恵みをもたらしてくれます。

三浦半島でも、そこでしか⾒られない⽣き物たちが集まっている特別な場所でもあります。

冬⾄の⽇に⽥んぼを整え、⼭に感謝し、湧き⽔を⼊れるところから1年のお⽶づくりは始まります。

美しい⽥んぼで、美味しいお⽶を育て、いただく巡りの中で、シンプルでありながら奥深い⾃然との調和について学びました。

欲を出さず、⽬に⾒えないものと調和し、活かすという⽇本⼈的なあり⽅に共感し、yatoという名前をいただきました。

 

作り⼿

「⽇本の繊維⼯場を次の世代に繋いでいきたい」という想いで、ニット業界の裏⽅として10年以上の活動を続けてきました。

ウルグアイの⽺⽑牧場や、国内の紡績⼯場、染⾊⼯場、撚⽷⼯場、ニット⼯場で職⼈とともに働き技術を学びながら企画開発に携わり、⼯場独⾃のものづくりを蓄積しながら製品の提案を続けています。

コロナ前までは、⼯場の販路開拓のためにヨーロッパやアメリカのデザイナーたちのもとに直接⾜を運び提案することで、⽇本製の製品輸出を⾏ってきました。

それらの経験を通して、⽇本のものづくりは世界で評価される可能性がある⼀⽅で、コロナ禍による⽣産能⼒の急速な減衰により、国内の繊維産業は⾵前の灯のような状態が続いています。

それと同時に、現在のファッションビジネスにおけるものづくりの多くは、電話やメールだけで完結してしまうことや、着⽤試験をしていないこと、セールを前提とした価格設定や、買いたたきによる⼯場利益の低さなど、数多くの違和感を感じてきました。

yato のものづくりは、現代ファッションビジネスへの違和感をクリアしつつ、 300 ⽇以上の着⽤試験を⾏うことで、品質、着⼼地にこだわったものづくりを⾏っています。

価格を下げるために安い原料を使⽤すれば、肌触りや着⼼地のよさは失われてしまいます。

yatoでは、丁寧に作られた品質の⾼い原料のみを使⽤していますが、⼀般的な商流に乗せるとラグジュアリーブランドのような価格帯になってしまい、⼀部の⼈の⼿にしか届かないものになってしまいます。

原料や品質は変えず、着る⼈と⼯場を直接つなぐことで、⽇常着として⼿の届く価格帯で本当によいと思える⾐を提供できる仕組みにしています。

価格は抑えつつも、⼯場に対しては、下請け⽣産時と⽐較して数倍の利益を還元できる仕組みになっています。

また、定番品のみを展開し、毎年の微修正を積み重ねることで1つの完成した形を作り上げ、⼯場閑散期に発注を⾏っています。

基準から外れてしまったB品以外のセール販売は⾏いません。

 

よい原料を選択すること、丁寧なものづくりを⾏っている⽣産背景を選択すること、素材の特徴や職⼈技術、機械の特性を活かすことはとても重要な要素になります。

そのうえで、デザインにおいては出来る限り装飾性を無くし、 10 年後も古く感じない形であることを⼼がけています。無個性にデザインしたものが着る⼈の個性や魅⼒を引き出し、まったく違ってみえる⾯⽩さも実感していただけると嬉しいです。

また、機能性を損なわない範囲で、できるかぎり無縫製の編⽴てを⾏っています。縫い⽬のない、⾝体を包み込むような着⼼地も体感してみてください。

 

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銀座

10/19(土)20日(日)

南船場

11/2(土)3(日) 

 各店舗2日間デザイナー在廊。

 

商品説明

001 ショール⽻織

002 タートルネックセーター

 

003 クルーネックセーター,クルーネックカーディガン

 

混⽤率︓カシミヤ100%

原料産地︓中国(内モンゴル)

繊維⻑︓ 36~38 ㎜

平均繊度︓ 15.5μ

紡績と染⾊︓深喜⽑織(⼤阪府泉⼤津市)

編⽴︓ニットオカザキ(⼭形県寒河江市)

 

ものづくりのきっかけ

軽さ・柔らかさ・暖かさを兼ね備えたカシミヤセーターの最⼤のデメリットは⽑⽟(ピリング)が出来やすいことです。

編み密度を詰めて、あっさりと洗いをかければ、⽑⽟になりにくいセーターを作ることは出来ますが、硬くて重いセーターになってしまいます。

10 年以上カシミヤのセーター作りを⼿掛けてきましたが、軽さ・柔らかさ・暖かさがあると同時に、⽑⽟になりにくいセーターはありそうでないものでした。

 

300 ⽇の着⽤試験を経て

毎年、 11 ⽉から 5 ⽉頃まで、製品テストを兼ねて、同じセーターを毎⽇着続けます。ウールやカシミヤは製品になっても呼吸を続けており、連続 1 ヶ⽉着⽤しても臭くならないことも着⽤試験が苦にならないポイントです。

セーターは下着を付けず、素肌に着⽤します。その⽅がカシミヤに包まれるような柔らかさを感じることが出来ることと、蒸れにくくなるため、⽑⽟の発⽣が少ないように感じます。また、気温がマイナスになる新潟の冬を過ごすことで、どれくらいの暖かさを感じるか実際に体感しています。

300 ⽇の着⽤試験を経たあとも、ほとんど⽑⽟は出来ませんでした。

過去に試作したもう少し⾁厚のセーターは、 1 シーズンで⽑⽟だらけになってしまったのに対し、掃除や雪かきなどでもセーターを着⽤していましたが、驚くほど⽑⽟が少なく、型崩れも起きていません。

また、暖房の効いた部屋であればセーター 1 枚でも暖かく、暖房のない部屋では上に⽻織を着れば寒い冬も過ごすことができました。

 

着初めの 1 週間程度は、多少チクチクとした感覚がありました。

カシミヤヤギの⽑は、櫛で梳き採って集められますが、その段階で剛⽑と産⽑が混ざります。その後の選⽑⼯程では、産⽑のみを⼈の⼿で選別しています。また個体差や部位により⽑の⻑さ、細さにはバラつきがあります。そのバラつきの中で太い⽑が、着初めのチクチク感に繋がっているようです。

1 週間ほど着⽤を続けることで、適度に⽑が吹き始め、⾵合いが柔らかくなってくると同時に、最初のチクチク感は無くなりました。

⾃分⾃⾝が⾏った着⽤試験では、下着を着けずにセーターを着ていたこと、上から着る⽻織やアウターなどは、摩擦が起きにくい同素材のカシミヤや、さらっとしたレインウェアなど、素材の相性を選んでいました。

数名の知⼈にも着⽤試験を依頼していましたが、着⽤後の状態を⾒せてもらうと、脇腹や袖下あたりに多少の⽑⽟が⾒られました。着⽤時の状況を聞くと、インナーに T シャツやキャミソールを着けているという回答でした。

汗をかきやすかったり、職業柄カバンを⾝に付けていたり、⽑⽟の出来やすさについては個⼈差があると思いますが、重ね着などに気を付けていただけると、⽑⽟のできにくい状態を維持できるかと思います。

 

005 スヌード

混⽤率︓ウール100%

原料産地︓ウルグアイ

平均繊度︓ 15.5μ

紡績と染⾊︓深喜⽑織(⼤阪府泉⼤津市)

編⽴︓ニットオカザキ(⼭形県寒河江市)

ウルグアイの⽺(メリノ種)は個体が⼩さく、⽑のクリンプ(天然パーマ)が均⼀・明瞭で、膨らみ感に特徴があります。また、年間5%程度しか採れない 15.5μの極細原料を使⽤することで、素肌に当たってもチクチクせず、独特のぬめり感のある柔らかさを表現することが出来ます。

同じ⽷を使っているニットパンツはさらっとした肌触りに仕上げていますが、スヌードは、編み密度を⽢くし、特殊な洗い加⼯によって、ふんわりと軽くて暖かく、ずっと触れていたくなるような優しい肌触りに仕上げています。

 

スヌードの形状は、丈の⻑い筒状になっているため、2重にしてすっぽりと⾸に被っても、寒い⽇は⽬の下まで覆うことが出来ます。1重にして頭まで包み込むとバラクラバになります。また、筒をねじりながら重ねるとニットキャップとして使うことも可能です。

使⽤しているウルグアイウールについては、ものづくりの源流を遡るため、ウルグアイの⽺⽑牧場に1か⽉間滞在し、働かせていただきました。

 

006 アームウォーマー

混⽤率︓カシミヤ100%

原料産地︓中国(内モンゴル)

繊維⻑︓ 32~36 ㎜

平均繊度︓ 15.5μ

紡績と染⾊︓深喜⽑織(⼤阪府泉⼤津市)

編⽴︓ニットオカザキ(⼭形県寒河江市)

この素材は、カシミヤの柔らかさが際⽴つよう、繊維⻑の⻑いカシミヤ原料を使い、⽢撚りで作られています。

⼀⽅で、キックバックが弱いため型崩れしやすく、⽑⽟になりやすいというデメリットがありました。そのため、縦にも横にも伸びにくい編み組織を開発し、柔らかさを残したまま、型崩れせず、⽑⽟になりにくいアームウォーマーに仕上げています。

着⽤後の多少の伸びを考慮して⼩さめに作っていますが、使⽤とともに⼿に馴染みます。

⾊は、ミックス⾊を取り揃えています。

⼯場では、⽣産の都合で⽷が残ってしまうことがあります。その⼀⽅で、⾊がばらばらと残っていても使い道がなく、⾼級原料も⻑期保管により劣化してしまったり、廃棄されたりしています。

⽤途のなくなってしまった原料の使い道はないかと考えて⽣まれたのが、このアームウォーマーです。

縦横に伸びにくい特性とともに、⾊がまばらに混ざりあう編み組織になっているため、1点1点 ⾊の表情が異なることも特徴です。

肌触りのよいカシミヤの特徴を活かしつつ、原料の廃棄ロスを減らすために、⽷や⾊の⽤途を考えたものづくりの仕組みになっています。

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