ATELIER MATERI

ATELIER MATERI

ATELIER MATERI アトリエマテリ 

香りと素材が紡ぐ物語

香りをつくることは、建築やデザインとよく似ています。すべては素材から始まり、それを人の手で形づくり、磨き上げることで新しい表情が生まれるのです。アトリエマテリを立ち上げたヴェロニク・ル・ビアンにとって、この「素材の変容」こそが最大のインスピレーションでした。

彼女は長年、香水や化粧品の開発に携わってきましたが、やがて自分の心に正直なブランドをつくりたいと思うようになりました。自然への敬意、サステナビリティへの責任、そして何よりも美学への探求心。それらをすべて形にしたのが、アトリエマテリという香りのメゾンです。

このメゾンが大切にしているのは

「人の手」

どれほど美しい素材も、人の手によって形づくられるときに初めて魂を宿す――そんな信念のもと、アトリエマテリは素材選びから調香、ボトルづくりに至るまで、アーティストや職人たちと密接にコラボレーションしています。

たとえば、香りを生み出す調香師。香料のひとつひとつに耳を澄まし、繊細に重ね合わせながら香水を組み立てていきます。ボトルをつくるガラス職人は、深いブルーのガラスに命を吹き込み、光が射したときに美しい陰影を描くように計算しています。さらに、重厚感のある蓋はコンクリート職人の手で仕上げられ、ひとつひとつ表情の異なるテクスチャーを纏います。そして最後に、パッケージを仕上げる紙職人が、上質な素材に触感を宿し、ブランドの世界観を完成させるのです。

香水には、それぞれ特別な天然素材が込められています。花や木々、時に希少な植物までもが選ばれ、調香師の手で丁寧に重ね合わされていきます。流行を追うのではなく、素材が持つ本来の声に耳を澄まし、その個性を最大限に引き出すこと。だからこそ、ひとつの香りが纏う人によって全く違う表情を見せるのです。

アトリエマテリが大切にしているのは「時間」。素材が本来の姿をあらわすまでに必要な時間、職人が技を注ぐ時間、そして香りが纏う人の人生に寄り添う時間です。急がず、焦らず、じっくりと積み重ねられたその時間こそが、本物のラグジュアリーをつくり出すのです。

アトリエマテリの香りは、単なるフレグランスではありません。それは物語であり、旅であり、あなた自身の記憶と重なり合って、新しい章を紡いでいく存在です。


私が個人的にこのブランドでいちばん心惹かれるのは、ファーストノートの鋭く澄みきった立ち上がりです。
外出の前に香水を纏うその瞬間、まだ見ぬ一日の出来事や想いを胸に重ねながらスプレーすると、香りは一気に広がり、空気を震わせます。その瞬間のフレッシュさは、誰よりも自分自身が味わえる特権のようで。

まるで「今日」という物語の最初のページをめくるときのような高揚感を与えてくれるのです。

やがて香りは落ち着きを帯び、まるで深呼吸するように柔らかさと温もりを広げていきます。時間とともに移ろうノートの変化は、ただの香りではなく、自分自身の感情や記憶と響き合いながら、静かに寄り添ってくれる存在のようです。

そして一日の終わり、ふとした仕草や衣服の隙間からほんのり漂う残り香に気づいたとき、その日の物語をそっと包み込むような余韻を感じます。鮮烈な始まりから穏やかな終わりへ。

その流れこそが、アトリエマテリの香水がもたらしてくれる、他にはない贅沢な体験なのだと思います。

東京、大阪両店にてテスターを揃えておりますので、お近くにお越しの際は是非お試しいただけましたら幸いです。

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